家賃を抑えるにはどうすれば? LIFULL HOME’Sが「家賃の差額が大きい条件ランキング」 を発表

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」は、「家賃の差額が大きい条件ランキング」を発表しました。

物価高騰に歯止めが掛からない昨今、2023年の飲食料品の値上げが2万品目を超え、この値上げのペースが続いた場合、早ければ今秋にも年内累計3万品目の値上げに達する可能性があると帝国データバンクが発表しました(※1)。また、電力大手7社が6月から家庭の電気代を値上げする見通しです。節約志向が高まる中、住宅選びでも条件の取捨選択を行い、少しでも家賃を抑えるヒントとしていただけるよう、どんな条件を諦めると家賃が下がるのかを、家賃相場の差額の大きさでランキングにしました。

※1:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(4月18日時点)https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230404.html

もっとも家賃に差が出るのは「オートロック」の有無。その差は月額で26,000円にも。

家賃に差が出る条件の1位となったのは「オートロックあり」となりました。「オートロックなし」との差は月額で26,000円となり、年間で計算すると312,000円となります。「オートロック」があるというのは、防犯面で大きな安心材料となります。オートロックがあれば、基本的に住人以外は入ってこられないだけでなく、不要な訪問販売や押し売りも避けられます。一方で、オートロックが無くても、モニタ付きインターホンや、宅配BOX、ディンプルキー、共用部の防犯カメラなど、そのほかの設備によって防犯性を高めることも可能です。

2位は「鉄筋系」(建物構造)、3位は「築5年未満」(築年数)。その差は月額22,000円~24,000円。

2位となった「鉄筋系」とは、コンクリートに鉄筋(太さ1cm以上の鉄の棒)を埋め込んだ構造のことを指します。木造と比較すると、遮音性、気密性、耐震性、耐火性に優れているのが特徴です。一方で気密性が高い性質であることから、室内に湿気がこもりやすいというデメリットもあり、空調や換気に配慮し、結露やカビ対策などする必要があります。

3位の「築5年未満」は、いわゆる築浅物件と言われるものです。築浅物件は、室内外ともにきれいである可能性が高いことや、最新の設備が充実している可能性が高いことが特徴として挙げられます。一方で、築浅物件は人気が集まりやすい分、希望どおりの部屋を探すのが難しいケースもあります。

【番外編】諦める必要なし?差額の少ない条件TOP3:「南向き」人気は今は昔⁉

差額の少ない条件TOP3の1位は「南向き」(差額-6,000円)、2位は「フローリングあり」(差額0円)、3位は「駐輪場あり」(差額2,000円)となり、1位の「南向き」に至っては「南向き以外」の方が家賃相場が高くなるという想定外の結果となりました。

「南向き」は一般的に日当たりがよく人気があると言われていますが、夏場は暑く、家具が日焼けしやすいなどデメリットも存在しています。「南向き」の部屋を希望する場合には二重サッシや遮熱カーテンなどの対策も併せて必要となりそうです。

LIFULL HOME’S総研チーフアナリスト 中山登志朗 考察

賃貸住宅は立地条件だけでなく、設備・仕様の違いでも賃料に大きな差がつく!

賃貸住宅は不動産=動かせない財産ですから、駅までの所要時間や距離、通勤・通学の利便性など立地条件で賃料相場がほぼ決まっており、一般に生活と交通の利便性が高いほど賃料も高く設定されています。ただし、賃料は立地条件だけで決まるものでもなく、当然のことながら物件ごとの設備や仕様、グレードといったものでも比較的大きな差がつくことはご存知の通りです。

このランキングは実際にその設備・仕様の違いで具体的にどれくらいの賃料格差が発生するのかを初めて調査したもので、立地条件以外に大きなバイアスとなるのがエントランスの「オートロックの有無」でした。新築でオートロックではない物件は皆無ですから、オートロックがない場合賃料を大きく下げないと借り手がつかないという現実が浮き彫りになっています。ただし、1位のセキュリティを除けば、2位以下は専ら生活の利便性・快適性にフォーカスした条件が並び、コロナ禍で定着したテレワークによって、オンもオフも自宅で過ごすことが増えた賃貸ユーザーが、より快適に生活できる条件を重視する結果、それが賃料格差に反映していると見ることもできます。

また、住宅は日当たりの良い南向きが一番という“方角神話”がいまだ根強くありますが、実際には春から秋にかけて毎日暑く遮光・遮熱カーテンが必須であるとか、家具が日に焼けてしまったなどのネガティブな話もあり、定量的には南向き以外の賃料が南向きを上回る結果となったことは大きな発見と言えるでしょう。これからは方角や借景よりも、住宅の断熱性・省エネ性が問われる時代になります。さらに、一時期はフローリングの床の人気が高かったのですが、最近ではカーペットやタイル、プラスティック素材など多様化していますから賃料にほぼ影響を与えないという結果になりました。駐輪場については駅に近いかどうかが優先されれば必然的に自転車の必要性が薄れますから、これも立地条件に付随した設備の条件として、賃料との相関性が希薄であることがわかります。

調査概要

  • 対象エリア:一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)
  • 対象物件:LIFULL HOME’Sに掲載された築40年以内、駅徒歩指定無し(条件に徒歩分数が含まれていない場合)、15平米以上40平米未満の居住用賃貸物件
  • 対象期間:2022年4月~2023年3月
  • 家賃:月額賃料の中央値
  • ランキング圏外の調査条件:TVモニタ付インターホン有無、800m以内のスーパー有無、駅徒歩10分未満/以上、800m以内のコンビニ有無、室内洗濯置き場有無

参考

物価・電気代高騰の今、何を諦めたら家賃を抑えられる?LIFULL HOME’Sが「家賃の差額が大きい条件ランキング」 を発表|株式会社LIFULLのプレスリリース

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